療育施設を探し始めると、個別療育と集団療育のどちらがいいのか、悩みますよね。
個別療育にも集団療育にも、それぞれの良さがあります。
わが家の息子は、これまでに個別療育を3か所、集団療育を1か所利用してきました。その中で感じたのは、療育は子どもの成長に合わせて、そのときに合った施設を選択していくことが大切だということです。
結論から言うと、お子さんの今の状態と、育てたい力によって、合う方を選ぶのがいちばんだと思います。
この記事では、両方のタイプの施設を経験したわが家の体験をもとに、それぞれの特徴と選び方のポイントをお伝えします。放課後等デイサービスや児童発達支援を選ぶときの、ひとつの参考になればうれしいです。

ひと目でわかる比較表
個別療育と集団療育の主な違いを、表にまとめました。
| 個別療育(マンツーマン) | 集団療育(グループ) | |
|---|---|---|
| 形式 | スタッフと1対1 | 数名〜10名程度の集団活動 |
| 得意なこと | その子のペースに合わせた支援。学習・ことば・認知の力にじっくり取り組める | 順番を待つ・協力する・友達と関わるなど、集団の中でこそ練習できる力に取り組める |
| 向いている子 | 集団だと力を発揮しにくい/刺激に敏感/じっくり関わってほしい | お友達がいると頑張れる/集団生活の練習をしたい |
| 関わるスタッフ | 保育士・児童指導員のほか、心理士・言語聴覚士・作業療法士などの専門職がいる施設も | 保育士・児童指導員など、複数のスタッフで見守る |
| 料金 | 受給者証で原則1割負担(月ごとの上限あり) | 同じ(個別・集団で変わらない) |
| 注意点 | 友達との関わりを「実際に練習する場」は、別に必要になることも | 一人ひとりへの目配りは施設の体制しだい。埋もれてしまう子も |
料金は、個別でも集団でも変わりません。名古屋市では、就学前の児童発達支援は原則として自己負担0円です(おやつ代・教材費などの実費は別にかかることがあります)。くわしくは、受給者証の記事にまとめています。

選ぶときの3つの視点
① 「今、何に困っているか」から出発する
「集団に入る前に、まず安心できる大人との1対1の関係を作りたい」なら個別から。
「家や学校以外で、友達と関わる練習がしたい」なら集団から。
困りごと別の目安を、まとめてみました。
- ことばがゆっくり・指示が伝わりにくい → まずは個別で、その子に伝わる方法を探す
- 気持ちの切り替えが苦手 → 個別で落ち着く方法を身につけ、少人数の集団で練習する
- 友だちとの関わりが苦手 → 少人数の集団や、SST(ソーシャルスキルトレーニング)で練習する
- 体の動きがぎこちない・運動が苦手 → 個別の運動療育や、少人数の運動プログラム
- 勉強のつまずきが気になる → 個別の学習支援
あくまで目安です。同じ困りごとでも、合う形はお子さんによって違います。毎日忙しい中で通える施設は限られるので、お子さんの今の様子と、いちばん困っていることから選んでいきましょう。
② 集団が苦手な子ほど、いきなり集団に入れない
「集団が苦手だから、集団で慣れさせよう」と考えがちですが、かえって苦手意識が強くなってしまうことがあります。うまくいかない経験が重なると、ますます集団が怖くなってしまうためです。
集団が苦手なお子さんは、個別で「できた」を積んでから、少人数の集団で試すという段階を踏む方が、結果的に近道になることが多いと感じています。わが家でも、集団で気を遣って疲れていた時期に個別へ切り替えたことで、息子の表情が変わりました(後半の体験談でお話しします)。
③ 「両方ある施設」という選択肢
実は、個別と集団は対立するものではなく、組み合わせることでそれぞれの良さが生きてきます。「個別で相手の目を見て話す練習をする → 小集団で実際にお友達と会話してみる」というように、個別で身につけた力を集団で実践する2段構えができる施設なら、切り替えのタイミングで施設を探し直す必要もありません。
名古屋市昭和区の「心理発達支援教室にじのそら」(※当サイトの有料掲載施設・PR)は、公認心理師による完全マンツーマンの個別支援と、少人数のグループ療育を組み合わせ、「個別で練習→小集団で実践」の流れで支援している施設です。個別と集団で迷っているご家庭には、参考になる支援スタイルだと思います。
▼以下のページをご参照ください。▼

わが家の体験談|個別→集団→個別と変えてきた理由
ここからは、息子がこれまでに通ってきた療育について、時期ごとにお話しします。
〜5歳:言葉が出るまでは「個別」で得意・苦手を知る
息子は5歳まで、お話ができませんでした。親でも、息子の得意なことや苦手なことを把握するのは難しかったため、専門の先生がマンツーマンで療育をしてくださる児童発達支援の施設に2か所通いました。
私は理学療法士として働いていますが、先生の視点や関わり方には私とは違うところも多く、「なるほど」と感心することばかりでした。先生とお互いに意見を交換しながら療育を進められたので、家での育児にもとても役立ちました。
この時期は具体的に、どのような伝え方が本人にいちばん伝わりやすいかを探したり、本人の好きなことから、どうやって生活の動作につなげていくかを考えたりする関わりをしていただきました。
5歳〜7歳:言葉が出てきて「集団」へ
小学生になり、少しずつ言葉も出てきたため、社会生活も身につけてほしいという思いで集団療育を始めました。
当時通っていた放課後等デイサービスは10人ほどの集団で、いろいろな公園や遊園地などに連れて行ってくれるところでした。お友達との交流や社会性など、たくさんのことを経験させてもらいました。
当時の息子は活発すぎて、夜なかなか眠れないという悩みもありましたが、この放課後等デイサービスでは毎回お出かけをしてくれていたので、夜はぐっすり眠れていました。
7歳〜8歳:学校にも放デイにも通えなくなった時期
この時期は、小学校の担任の先生が息子に厳しく接する先生だったこともあり、息子の気持ちが不安定になって、学校にも放課後等デイサービスにも通えなくなってしまいました。
私も妻も仕事をセーブせざるを得ず、家族にとって本当にしんどい時期でした。
学校に行きにくくなったときの放課後等デイサービスの使い方については、こちらの記事にまとめています。

8歳〜:集団から「個別の運動療育」へ切り替え
担任の先生が代わったことで、少しずつ小学校に通えるようになりました。
ただ、気持ちが不安定になった時期を経て、息子は集団の中では周りに気を遣ってしまい、ストレスを感じている様子が見られました。そこで思い切って、放課後等デイサービスも集団療育から個別の運動療育へ変えました。
新しく通い始めた運動療育は、息子のやりたいことを大切にしながら、45分間コーチと全力で運動プログラムに取り組むところでした。
学校や同じ学年の子がいる前では全く出せなかった自分を、ここでは思いきり出せていて、表情が明らかに変わりました。
当時の学校の先生や運動療育のコーチのおかげもあり、小学校でも少しずつ”自分”の出し方や、お友達・先生との関わり方が上手になってきました。
いろいろな施設を経験して感じたのは、子どもの成長や心の状態はその時々で大きく変わるので、そのときに合った施設を選び直していくことが大切だということです。
私自身がそうした経験をしてきたこともあり、お子さんに合った施設を探しやすいサイトを作りたいと思い、「虹マッチ 発達情報室」を立ち上げました。
虹マッチでは、お子さんに合った施設が見つかるよう、名古屋市の施設を順次ご紹介しています。ぜひご活用ください。
見学で確認したい質問リスト
- 個別と集団、それぞれの時間はどのくらいありますか?
- 個別支援の内容は、何をもとに決めていますか?(発達検査・アセスメントの有無)
- 集団は何人くらいで、スタッフは何人つきますか?
- 集団が苦手な子には、どんな段階を踏みますか?
- 個別から集団へ(またはその逆へ)、途中で比重を変えられますか?
特に2つ目の「何をもとに個別支援を組み立てているか」は大切です。発達検査(WISC・K式など)の結果をふまえて支援の計画を立てている施設は、支援の理由がはっきりしています。

見学・体験のとき、お子さんのここを見てみてください
- 帰り道に「また行きたい」と言うか(言葉が出にくい子なら、帰りの表情や様子)
- 部屋に入ったとき、表情がこわばっていないか
- スタッフが、子どもの「できた」にどんな声かけをしているか
- 集団の場合、周りの子の人数や声の大きさに、お子さんが疲れていないか
説明を聞くだけでは分からないことも、お子さんの反応を見るとよく分かります。
よくある質問
Q. 個別と集団、両方の施設に通うことはできますか?
できます。受給者証で決められた利用日数の範囲で、複数の施設を組み合わせて利用できます。たとえば「平日の何日かは個別、休日は集団」といった使い方もできます。日数や組み合わせ方は、お住まいの区の窓口や、相談支援専門員に相談してみてください。
Q. 途中で、個別から集団(またはその逆)に変えてもいいですか?
もちろん大丈夫です。わが家も、体験談のとおり何度か切り替えてきました。お子さんの成長や気持ちの状態は変わっていくので、「今の施設が合わなくなってきたかな」と感じたら、見学から始めて選び直すのも一つの方法です。
Q. 個別と集団で、料金は違いますか?
基本的には変わりません。どちらも受給者証を使って原則1割負担で、世帯の所得に応じた月ごとの上限があります。名古屋市では、就学前の児童発達支援は原則として自己負担0円です。おやつ代や教材費などの実費は施設ごとに違うので、見学のときに確認しておくと安心です。
名古屋市で施設を探すなら
虹マッチでは、名古屋市の施設一覧を支援の内容で絞り込めます。気になる条件から探してみてください。
まとめ
- 個別と集団に優劣はない。今の困りごとと育てたい力で選ぶ
- 集団が苦手な子は、個別で「できた」を積んでから集団へ、が近道のことが多い
- 個別と集団を組み合わせられる施設は、長く付き合いやすい
- 子どもの成長や心の状態に合わせて、施設は選択し直していきましょう
※お子さんによって合う環境はさまざまです。実際に見学や体験をして、お子さんの反応を見ながら判断することをおすすめします。

